和歌山県橋本市 病気や予防、トリミングサロンの専門病院

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ブログ

消毒薬による猫の健康被害2020.5.21

大阪、兵庫、京都の警戒は解除になり、徐々に日常生活が戻りつつあります。
でも、まだまだ警戒は必要でホームステイも心掛けなくてはいけないと思っています。

家にいることが多くなってくると、掃除など日ごろは忙しくてなかなかすることが出来ないことをする機会が増えてきます。

植木の消毒をして猫ちゃんに健康被害がでたとの記事を見つけました。
猫ちゃんは肝機能がワンちゃんや人間よりも低いので注意をしてくださいね。
アロマオイルも使用しないでくださいね。

以下引用

コロナでの過剰な消毒 猫ちゃんは大丈夫? 低い肝臓の解毒機能…身近な薬剤でも健康被害

5/20(水) 15:02配信

まいどなニュース

家でティホームなゴールデンウィークに、事件は起こりました。 ペルシャ猫の女の子・3歳のモネちゃんは、お父さんが大好きなので、毎晩、お父さんと一緒のお部屋で過ごします。

休日の夜中、モネちゃんは突然驚くほど大量に何度も吐きました。 お父さんはモネちゃんを動物病院へ連れて行きましたが、エコーでお腹の検査をしても異常はありません。しかし、元気はなくじっとうずくまり、全く食べません。

翌日以降も粘液の混じった下痢と嘔吐が続きました。
すでに胃腸には何も食べ物は入っていないので、下痢も嘔吐も、透明な液体のみ。
時々、身体を震わせ、抱くと『ウウゥ―』と、痛みのためなのか悲鳴をあげました。そして、脱水のためか虚脱のためか、舌がシワシワになってしまいました。

突然起こる症状には、その少し前にいつもと違う何かがあった可能性が大です。モネちゃんが具合の悪くなった日の昼間、何があったのでしょうか?
実は、お父さんはその日の昼間に、家の生垣の薔薇に虫がつかないように、噴霧器で薬剤をまいたのでした。その後、お父さんはそのまま着替えをせずに部屋に戻り、モネちゃんのモフモフを撫でたり抱っこしたり、したそうです。

その薬剤には、使用上の注意がいくつも書かれていました。たとえば「本剤は、のど、鼻、皮ふなどを刺激する場合、また、かゆみを生じる場合があるので注意してください」「風向きなどを考え周辺の人家、自動車、壁、洗濯物、ペット、玩具などに散布液がかからないように注意してください」といったようなことです。

人に有毒な薬剤は、猫にはより強い影響が出ることがあります。というのも、猫は毒性のあるものを肝臓で分解する能力が、人間や犬よりもかなり劣るためです。 肝臓は「生体の化学工場」とも呼ばれ、栄養素などさまざまな物質を化学的に作り変える働きを持ちます。

有害な物質が体内に入った場合も、肝臓が分解し、毒を減らして体外に出せるようにする仕事をします。しかし、猫の肝臓はその毒を減らす能力が低く、ほかの動物にとっては何でもない薬や化学物質でも、猫たちにとって有害になる場合が多くあります。

動物病院の診察で、お父さんは薬剤を庭木にまいたことをお話されたそうなのですが、薬剤を直接猫に噴きかけた訳では無いので、それが原因とは考えられないと、否定されたそうです。しかし、目には見えませんが、薬剤を噴霧した後のお父さんの身体や衣類には、かなり薬剤が付着していたと私は考えます。
その薬剤が空気中に漂って、猫の肺に吸い込まれたり、お父さんと接触することで猫の体表に付着したのかもしれません。猫の場合、体表の被毛に付着すると、舐めて食べてしまいます。それだけ余計に化学物質を体内に取り込んでしまうため、さらに肝臓への負担が増して、健康被害が大きくなるのです。

いま、コロナ騒動で家中に消毒薬をシュッシュされておられる方は、どうぞお気をつけてください。消毒薬としてよく使われるエタノール、次亜塩素酸ナトリウムや第四級アンモニウム塩(これは、消臭スプレーにも配合されています。)は、空気中に漂った後、いろいろなところに付着します。消毒薬はウイルスや細菌を殺しますが、動物の細胞も殺してしまいます。

動物の皮ふや粘膜の表面に住んでいる、いいことをしてくれる細菌も殺してしまいます。 世界のいたるところで、過剰な消毒によって健康被害が報告されています。それは、人間もですが、犬や猫、野生動物にも言えることです。

しかも、もしかしたらそれはすぐに現れる健康被害では無いかもしれません。何年にも渡って使用していると起こってくる健康被害もあります。もちろん、消毒することで防げる病気がありますが、過ぎたるは及ばざるが如しです。 (獣医師・小宮 みぎわ)

ショコラちゃん2020.5.20

12歳10か月のアビシニアンのショコラちゃん
5月15日の朝から元気食欲がないと15日の夜に来院しました。

触診や視診では脱水と陰部の汚れがあり、血液検査、エコー検査の結果、子宮蓄膿症と診断しました。

飼い主さんには子宮蓄膿症の治療は手術で卵巣と子宮の摘出が第一選択肢で、どうしても手術ができない場合は内科的に抗生剤やホルモン剤の投与を行うとインフォームしました。

もともとショコラちゃんは小さな猫ちゃんで2.5㎏しかありませんでした。
そのため飼い主さんは避妊手術を行うことも躊躇していました。
なかなか手術をすることを決断できなかったため、15日、16日は内科治療を行いましたが、16日に再度手術をした場合のほうが完治し再発もないとご説明させていただきました。

16日の段階で、一応手術を18日(月)に実施することになりましたが・・・
17日(日)にもう一度家族会議を開き最終的に決断することになりました。

家族会議の結果、手術をおこなうと決め、18日に卵巣子宮摘出手術を行いました。
手術当日は、衰弱していたこともあり麻酔の覚醒も悪く心配もしましたが、
19日からはウエットフードも食べるようになりました。
まだまだ食欲は完全には回復していませんが、入院によるストレス軽減と飼い主さんの都合により本日退院をしました。

退院おめでとう、よく手術に耐えて頑張りました。

猫の子宮蓄膿症は犬同様、発情後に発症します。
ただ、猫ちゃんはワンちゃんよりも避妊手術を行っている割合が高いので、
犬の子宮蓄膿症ほどよくある病気ではありません。

また生後6か月までに避妊手術をおこなうと乳腺腫瘍(乳がん)の発生を91%、1歳までに行うと86%減少することができます。

子宮蓄膿症や乳腺腫瘍の予防のためにも早期に避妊手術をすることをお勧めいたします。

SFTS感染2020.5.19

SFTS(重症熱性血小板減少症)についての記事を見つけました。
和歌山県におけるマダニはSFTSウイルスを持っている可能性があります。
ワンちゃんや猫ちゃんのマダニ予防をしてあげてください。
そして私たち人間に感染しないように注意をしましょう。

新型コロナウイルスの感染が広がっています。これだけ医学が進歩していてもウイルスの脅威をひしひしと感じますね。猫に咬まれて一般的な人畜共通感染症は「猫ひっかき病」です。それ以外に、新しいウイルスの感染症があるのをご存じですか。

重症熱性血小板減少症(severe fever with thrombocytopenia syndrome :以下SFTS)が2013年に日本で見つかりました。マダニが関係しています。4月頃~10月下旬頃までは、マダニが発生します(マダニは動物に寄生し、吸血)。気温が20度を超えると、ダニの注意も必要になりますね。今日は、そのSFTSについて、考えていきましょう。このウイルスに感染するとほとんど人が発症して、高い確率で重症化します。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

2011年に中国において新しい感染症として流行していることが報告された病気です。その感染症が日本に入ってきました(元来からあったという説もありますが、今後の研究でわかってきます)。2013年1月、SFTSの患者(2012年秋に死亡)が国内で初めて確認されて以降、毎年60~90名前後の患者が報告されています。2017年3月以前はこの病気に感染して発症するのは人だけだと考えられていました。しかし、2017年4月に猫、2017年6月に犬がたてつづけにみつかりました。

まだ、あまり知られていない感染症ですが、猫や犬から人に感染して発症したケースも報告されています。

猫ー人に感染した1例

外にいる猫に餌やりをしていた猫に咬まれたのは生来健康な50歳代の女性でした。

症状は、発熱、食欲低下、 嘔吐等の症状があり血液検査で白血球減少と血小板減少が認められ、その後、 症状が悪化し死亡しました。詳細な検査の結果SFTSが原因であったことが明らかになりました。

犬ー人に感染した1例

犬が元気を消失し、食欲低下を示しました。その犬は回復しました(よくある症状ですね)が、 犬の発症から10日目に飼い主が発熱、関節痛、頭痛等の症状に引き続き下痢等の消化器症状がありました(咬まれたとは、書いてないので濃厚接触の可能性かもしれません)。その犬も飼い主もウイルス学的な検査を実施したところ、ともにSFTSの感染が確認されました。

病原体

ブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類される新しいウイルス

感染経路

マダニ(STFSウイルスを持っている)に咬まれる、STFSウイルスを持っている犬や猫に咬まれた、または濃厚接触。

症状

・発熱、消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血)。

・ときに、腹痛、筋肉痛、神経症状、リンパ節腫脹、出血症状など。

・血液所見では、血小板減少、白血球減少。

・致死率は10~30%程度。

2017年4月に和歌山県にてSFTS発症ネコが発見されました。 世界で初めてのSFTS発症動物の確認例となり、厚生労働省によるSFTS発症ネコに関する通知がありました。2019年までに 120頭のSFTS発症ネコが確定しています。

・元気・食欲消失(100%)

・黄疸(95%)

・発熱(78%)

・嘔吐(61%)

猫では黄疸が多いこと、下痢が少ないことが人と異なります。

・血液検査ではCKやCPK上昇(100%)、 血小板減少(98%)、 総ビリルビン(T-Bil)上昇(95%)、 肝酵素ASTやGOT上昇(91%)、 白血球減少(81%)など。

・致死率は約60%と非常に高い。

以前は、猫だけがこの病気にかかって、SFTSは多くのイヌで不顕性感染すると考えられていました。しかし、 2017年6月に徳島県にて世界で初めてSFTS発症イヌが発見され状況が変わりました。

・元気・食欲低下(100%)

・発熱(100%)

・黄疸(2頭中1頭)

・消化器症状(75%)

犬は、猫ほど黄疸の症状がないようですね。

・ 血液検査 白血球減少(100%) 血小板減少(100%)肝酵素ALTやGPT上昇(100%) 総ビリルビン上昇(4頭中2頭)など。

・致死率は29%。

予防

このような感染症の特徴は

・高い死亡率

・治療が難しい。

・ワクチンがない。

・特効薬がない。

です。主にマダニが媒介するので生息する場所に入る場合には、長袖、長ズボンを着用しサンダルのような肌を露出するようなものは履かない。

それ以外に、猫ー人感染、犬―人感染がわかっているので、咬傷あるいは濃厚接触は避けましょう。猫や犬の唾液・糞便・尿中からウイルスが排泄されることもあるので、飼い主は迅速な処置を手袋でするのがいいですね。

まとめ

春になると野山に遊びに行きたくなりますね。グローバル化の時代になり、人や物についていろいろなウイルスも移動します。そしていままでなかったウイルスも日本に入ってくるのも事実です。今日はダニから媒介される話です。不安を煽っているわけでないですが、科学的に正しい知識を持って猫や犬に接してほしいと考えています。アウトドアの季節になりますが、飼い主も猫も犬も健やかで幸せな生活を望んでいます。

マック君2020.5.18

10歳のパグのマック君

10日の夜から震えがあり11日の朝から食欲がないと12日に来院しました。

震えがある場合・・腰痛や頸部痛などを疑うのですが触診では腰痛や頸部痛はなさそう。

触診で上腹部痛が認められる場合は膵炎を疑います。
マック君の場合・・・腹部を触ってもあまり痛がる様子もみられません。

食欲不振があるため血液検査を行うと膵炎を疑がう数値が見られたためエコー検査を実施。

膵臓領域に炎症像があったため、急性膵炎と診断しました。

一般的に急性膵炎の場合、元気食欲の低下、嘔吐、下痢、上腹部痛を呈します。
マック君は嘔吐や下痢などの消化器症状は見られず、また触診による著しい腹痛も見られませんでしたが震えがあることを思うと・・・やはり腹痛はあったものと思われます。

急性膵炎の治療は点滴や制吐剤や鎮痛剤といった対症療法がおこなわれます。
入院して2日間はほとんど餌を食べませんでした。14日ごろよりジャーキーなどのおやつは食べるようになりました。
16日に飼い主さんは面会に来た時も、ジャーキーしか食べなかったのですが・・・
飼い主さんが帰った後から急に元気になりドライフードも食べるようになり、今日無事に退院をしました。

1週間後、検診をして膵臓の値や炎症の値が正常戻っていたら治療終了です。


新型コロナウイルス2020.5.15

新型コロナウイルスが猫→猫感染をするとの報告がありました。

(CNN) 新型コロナウイルスは猫から猫に感染しうるが、症状は全く出ない可能性がある――。そんな研究結果が米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに13日発表された。

ネコ科動物が新型コロナに感染する可能性を指摘する研究はこのところ増えており、今回の研究結果はそこに新たな知見を加えた形だ。ただし専門家によれば、ネコ科の動物が感染を拡大させているとの証拠はない。

今回の研究では、猫3匹を新型コロナに感染させた結果、3匹とも3日後にウイルスを排出していることが判明。感染した猫を健康な猫と同居させたところ、健康な猫でもウイルスが増殖した。

研究対象となった猫はいずれも、体温の異常や大幅な体重減といった症状は一切示さなかったという。

猫への感染をめぐっては先日、ニューヨークの飼い猫2匹から初めて陽性反応が出た。2匹とも軽い呼吸器系の症状を示したものの、完全回復する見通し。またブロンクス地区の動物園では、計8匹のライオンとトラから陽性反応が出ている。

研究を主導した東京大学の河岡義裕教授と米ウイスコンシン大学のチームは、猫から人間にも感染が広がるかどうか理解を深めるためには、さらなる研究が必要だとしている。現時点では猫から人間に感染するという証拠はない。

獣医師学会は、今回の研究は実験室で行われており、現実の環境でも猫がこれほど容易に感染するのかは分からないと説明。「自然界で感染した比較的少数の動物から人間に感染が広がっている証拠はない」と指摘した。

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