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ユリ中毒2021.01.05
年末年始にかけて緊急入院をした猫ちゃんが2頭います。
2頭ともユリの葉を食べてしまった猫ちゃんです。
ユリは猫にとっては猛毒であることが知られています。
植物全体が毒でたった葉を2枚や花びらの一部の誤食で死に至ることもあります。
ユリ中毒の症状は流涎、嘔吐、食欲不振、活動性や意識レベルの低下です。
暴露から1~3時間以内に発現し6時間前後持続します。
その後腎障害が発現し多飲多尿、脱水、乏尿、無尿にいたり死亡します。
治療は消化管内から原因物質の除去と輸液療法です。
腎不全症状により無尿となった場合は透析療法がおこなわれますが予後は極めて悪いです。
予後は来院時の状態や治療開始タイミングにより大きく異なります。
除染処置や輸液療法を早期に実施できた症例の予後は比較的良好ですが、
無治療であった場合(誤食に気づかなかった場合)は予後が悪く死亡してしまうことも多いです。
今回の2頭は早期に飼い主様が気づき治療をおこなうことが出来たので、2頭とも腎障害を起こすことなく無事に退院をすることが出来ました。
ユリの花はきれいですが猫ちゃんにとっては猛毒であるので十分注意をしてください。