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短頭種気道症候群2020.05.29
6歳のメスのペキニーズのぺきたんちゃん
ペキニーズちゃんたちが集まるオフ会に参加した時、他のペキニーズちゃんに比べてすぐに呼吸が荒くなるのが気になると相談を受けました。
ペキニーズやブルドックやパグなどのいわゆる鼻ぺちゃの犬に多い短頭種気道症候群による呼吸困難と診断しました。
短頭種気道症候群とは外鼻孔狭窄、軟口蓋過長症、気管低形成、喉頭小嚢外反、扁桃の肥大、鼻道の解剖学的構造による上気道閉塞を示す症候群のことです。
症状はいびき・いびき様呼吸、開口呼吸、吸気時の呼吸困難、意識消失、運動後のチアノーゼなどがみられ、暑いときや興奮時には熱中症を発症しやすいです。
症状の重さには個体差があり、何もしなくても生活に支障がない場合もあります。
主な症状は就寝時のうるさいいびきと、興奮時のブタのような呼吸音で、さらに速い呼吸の後や飲水時に吐き出すような仕草や、体温の発散がうまく出来ないことによる高体温なども見られます。
また、呼吸時に空気を飲み込むことで、泡状のものを吐く、オナラが頻繁に出るという症状を起こすこともあります。
今回ぺきたんちゃんは著しい外鼻孔狭窄は見られませんでしたが、軟口蓋過長症はみられたため、切除手術を行いました。
当院では短頭種の避妊手術や去勢手術の際、短頭種気道症候群についてご説明させていただき外鼻孔狭窄や軟口蓋過長症の手術を同時に行うことが多いですが、ぺきたんちゃんは来院されたときすでに避妊手術は実施しており、今回は軟口蓋過長症の手術のみを行いました。
これで呼吸が楽になってくれるといいのですが・・・
手術時に6歳という年齢を考えると・・・長年の呼吸困難から喉頭などに変形が起こっている可能性もあり、少しは呼吸が楽になるとは思いますが完全に良くならない場合もあります。
腫れがおさまったときに呼吸が楽になっていることを願います。